脂肪を賢く取ろう
肉の脂肪は健康に悪いし、コレステロールが増えると思っていませんか?
ですが、脂肪はエネルギー源や体脂肪になるだけの糖とは違い、人間には欠かせない栄養素なんです。その為、糖尿病の食事療法でもそのことを忘れてはいけません。
ですが、脂肪と言っても色々なものがありますが、最も重要なのは体内で合成できないために食事から摂取する必要がある必須脂肪酸です。
この必須脂肪酸は、普通の植物油などに含まれるリノール酸・リノレン酸、卵や肉類などの動物性食品などに含まれるアラキドン酸があります。
また、魚の脂肪に含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)は、体内でαーリノレン酸から極少量しか合成されない為、健康の為に必須脂肪酸と合わせて食事から摂る必要があります。
そして、肉の脂肪は体に悪いと思っている人が多いものですが、かと言って植物性の油脂が健康にいいとも限りません。何故なら、植物性油脂は不飽和脂肪酸を多く含み酸化しやすく、老化の原因にもなる活性酸素の影響を受けやすく糖尿病をはじめとした生活習慣病など健康を損なう恐れがあるのです。
一方、動物性の脂肪は飽和脂肪酸ですので植物油のように体内で酸化しません。ですが、動物性の脂肪は私たちの体にどうしても必要という訳でもなく、体内で合成することができます。
特に糖尿病の患者さんは、エネルギー源としての栄養をあまり必要としないので、肉の脂肪は赤身や卵の黄身に含まれるだけで十分に足りるんですね。
もし、肉の脂身を食べるのなら、DHAやEPAなどは脳の健康維持にも大切な脂肪酸ですので、それらを豊富に含む魚を沢山食べるべきです。
最近は、キレやすい子供や鬱などの心の病気が増えていますが、その原因の一つとしてマーガリンなどの加工された脂肪(トランス型脂肪酸)の摂りすぎや酸化しやすい植物油の摂りすぎなどがあり、また現代人は魚を食べなくなってきたことからDHAやEPAの摂取量が不足していることが原因とも言われています。
これらのことから糖尿病の患者さんで大切なのは、出来れば毎日の食事から、これらの脂肪酸をまんべんなく少量ずつ摂るようにすると良いでしょう。